見守り電球は賃貸の部屋に付けられるか|自治体の貸与で大家に知らせは届かない、退去時は返却が必要
「区の見守り電球を借りたので、トイレの電球を替えてもいいですか」——単身の高齢入居者やその家族から、こうした相談を受けることがあります。見守り電球は、いくつもの自治体が高齢者向けに貸し出している見守りの方式です。電球を替えるだけなので大がかりな話にはなりませんが、賃貸の管理会社・大家にとっては「その部屋で動くか」「異変の知らせは誰に届くのか」「退去や死亡のときどうなるか」の3点を押さえておく必要があります。
見守り電球とは|24時間点灯・消灯がなければ家族へメール
見守り電球は、通信機能を内蔵したLED電球です。トイレや洗面所など毎日使う場所の電球と取り替えておくと、点灯・消灯の動きが24時間ない場合に、登録した家族などへメールで異常を知らせます[1][2]。文京区・稲城市・伊勢崎市の事業では通知先を最大4件まで登録でき[1][3][4]、家族がすぐに行けないときは、依頼に応じて委託事業者のスタッフが代理で訪問して安否を確認します[1][3]。
カメラのように部屋の中を映すものではなく、分かるのは「その照明が使われたかどうか」です。また、知らせが届くのは最短でも動きが止まってから24時間後になります。
自治体の見守り電球は、対象条件が自治体ごとに違う
同じ見守り電球でも、借りられる人の条件は自治体によって異なります。
- 文京区:区内在住のおおむね65歳以上の一人暮らし、または世帯全員がおおむね65歳以上の方[1]
- 稲城市:市内在住の75歳以上の一人暮らし。設置の上限は220人[3]
- 郡山市:65歳以上の単身で心身に支障がある方など。近くに親族が住んでいる場合は対象外[2]
利用者の負担も、無料の自治体と一部を自己負担する自治体があります。入居者から相談を受けたら、まず住んでいる自治体の高齢福祉の窓口で対象になるかを確かめてもらうのが近道です。自治体の緊急通報システム全体の条件の違いは、緊急通報システムの記事で整理しています。
賃貸の部屋で付けられるかは「口金」と「通信」で決まる
見守り電球は26口径(E26)の口金の電球を付けられる場所に取り付けるもので、通信機能を使うための工事やコンセント、Wi-Fiなどの通信機器は要りません[3][4]。配線を触らず電球を差し替えるだけなので、カメラを壁に固定するような設置とは違い、部屋に手を加える話にはなりにくい方式です(カメラの設置で承諾が要る場面は見守りカメラの記事を参照してください)。
貸す側が確かめたいのは次の2点です。
- E26の電球が付く照明があるか——トイレや洗面所の照明が口金のない一体型のLED照明だと、そのままでは付けられません
- 電波が届くか——設置場所の通信状況によっては利用できない場合があるとされています[3]。申し込みの前に、自治体の窓口で設置できるかを相談してもらうと確実です
通知は家族へ——大家・管理会社には届かず、退去時は返却が要る
見守り電球の知らせが届くのは、申し込みのときに登録した家族や知人のメールアドレスです[2][3]。大家・管理会社に自動で届く仕組みではありません。また、代理訪問は安否を確かめるためのもので、室内に入る手順までは自治体のページに書かれていません[1][2]。呼びかけに応答がないとき、部屋を開けるかどうかの判断は、結局は家族・警察・管理会社の間に戻ってきます。家族から連絡を受けたときの動き方は管理会社に安否確認を頼むときの記事でまとめています。
もう1つ見落としやすいのが返却です。自治体の見守り電球はレンタル品で、利用をやめるときは返却が必要とされ、文京区では返却がない場合は実費の負担が生じます[1][4]。入居者が亡くなったり施設へ移ったりして部屋を明け渡すとき、トイレの電球が自治体の貸与品だと気づかないまま処分してしまうと、相続人や家族に負担が残るおそれがあります。入居時に「見守り電球を使っているか」を聞き、台帳に残しておくと、残置物の片づけのときに迷いません(残置物の扱いは残置物処理のモデル契約条項の記事を参照してください)。
1か所の照明で見るか、部屋の電気全体で見るか
見守り電球は、取り付けた1か所の照明が使われたかで判断します。その場所を使わない日が続けば知らせが出ますし、別の部屋で過ごしていても、その照明に動きがなければ異変とは区別できません。どの方式が合うかは入居者の暮らし方によって変わります。
自治体の対象条件に当てはまらない入居者や、口金・電波の条件で電球が付けられない部屋では、工事や室内カメラなしで、部屋の電気の使われ方全体から異変に気づく見守りも検討してみてください。電気の使われ方で見守る仕組みはスマートメーター見守りの記事で解説しています。
まとめ
- 見守り電球——24時間点灯・消灯がなければ、登録した家族へメールで知らせる
- 対象条件は自治体ごとに違う——年齢・世帯・近くの親族の有無など。まず自治体の窓口で確認
- 賃貸で付けられるか——E26の口金がある照明と、電波が届くかの2点
- 通知は家族へ——大家・管理会社には自動で届かない。応答がないときの動き方は別に決めておく
- 退去・死亡時は返却——自治体の貸与品かどうかを入居時に聞いて記録しておく