24時間見守りサービスと賃貸の「24時間サポート」は別物|入居時のサポートで親の異変に気づけるか
「入居のときに24時間サポートに入っているので、見守りはもう付いていますよね」——高齢の親の賃貸について、家族からこう聞かれることがあります。検索でも「24時間 見守りサービス 賃貸」と調べると、水漏れや鍵のトラブルに駆けつけるサービスと、安否を確かめる見守りサービスが同じ画面に並びます。名前は似ていますが、この2つは仕組みが違い、片方でもう片方の代わりはできません。本記事では、その違いと、見守りを選ぶときに確かめることを整理します。
賃貸の「24時間サポート」は、住まいのトラブルに駆けつけるサービス
賃貸の契約時に案内される24時間サポートは、水漏れや鍵の紛失、設備の故障といった生活トラブルに、原則24時間365日の体制で駆けつけるサービスです[1]。対応の例として、キッチンや浴室の水漏れ、トイレの詰まり、鍵の解錠、電気・ガスのトラブルなどが挙げられています[1]。
加入が必須かどうかは、賃貸借契約書に明記されているかで分かれ、仲介会社がすすめているだけなら任意とされています[1]。いずれにしても、このサービスの対象は部屋の設備と暮らしのトラブルで、対応の一覧に入居者の安否の確認は挙がっていません[1]。
24時間サポートは「呼ばれて動く」、見守りは「呼ばれなくても気づく」
24時間サポートは、入居者が電話で連絡して初めてスタッフが動く仕組みです[1]。「24時間」は受付の時間を指しており、部屋の中を24時間見ているわけではありません。
高齢の一人暮らしで起きる異変は、浴室での転倒や急な体調の悪化のように、本人が電話をかけられない状態で起きることがあります。呼ばれなければ動かない仕組みは、このとき働きません。自治体の緊急通報システムのボタンも、押せる状態であることが前提です。自治体の制度の中身は高齢者の緊急通報システムの記事で整理しています。
見守りサービスは逆に、センサーや電気の使われ方などから「いつもと違う」ことを検知し、本人が何もしなくても家族などへ知らせる仕組みです。求められているのが「呼べないときに気づくこと」であれば、必要なのはこちらです。
自宅で亡くなった一人暮らしの高齢者、発見まで4日以上が4割
警察庁によると、令和7年中に警察が取り扱った遺体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6,941体でした[2]。このうち65歳以上は5万8,919体です[3]。
65歳以上について、死亡から発見までの経過日数を見ると次のとおりです[3]。
- 0〜1日:2万2,502体(38.2%)
- 2〜3日:1万2,321体(20.9%)
- 4日以上:2万4,096体(40.9%)——うち8日以上は1万5,911体(27.0%)
(割合は警察庁の令和7年の年齢階層別・経過日数別資料の数値から算出)
一人暮らしでは、本人が知らせられなければ、周りが気づくまで異変は表に出ません。24時間サポートは呼ばれて動く仕組みなので、この日数を縮める役には立ちません。発見が遅れた場合に大家・管理会社がとる初動は孤独死が発見されたときの記事にまとめています。
24時間サポートと24時間見守りサービスの違い
- 対象——24時間サポートは部屋の設備と生活トラブル[1]。見守りは入居者本人の様子
- 動き出すきっかけ——24時間サポートは入居者からの電話[1]。見守りは機器が検知した変化
- 知らせる先——24時間サポートは入居者本人に対応する。見守りは家族など、あらかじめ決めた連絡先に届く
- 申し込む場面——24時間サポートは賃貸の契約時に案内されることが多い[1]。見守りは入居者や家族、大家・管理会社が別に申し込む
入居時の書類に「24時間」と書かれていても、中身がどちらなのかは、対応する内容の一覧を見れば判断できます。
「24時間」とうたう見守りで確かめる3つのこと
見守りサービスの側にも「24時間」という言葉は使われます。申し込む前に次の3点を確かめてください。
- 何を24時間見ているのか——人の動き、電気の使われ方、ボタンの押下など、検知の方法によって気づける異変が違います。ボタン式は、押せないときには知らせが出ません
- 異変のとき、誰に知らせが届くのか——家族のスマートフォンか、事業者の窓口か。遠方の家族だけに届く場合、そのあとの動き方を決めておく必要があります
- 誰が部屋まで行くのか——知らせのあとに駆けつけまで含むのか。駆けつけを頼める相手は限られており、鍵を開けて入る条件も書面で決めておくと安心です
24時間サポートの付いた部屋に、見守りを足すとき
24時間サポートは水漏れや鍵のトラブルのための備えとして、そのまま残してかまいません。足りないのは「呼べないときに気づく」部分だけです。工事や室内カメラを入れずに足すなら、電気の使われ方の変化で異変に気づく方式があります。24時間サポートの付いた今の部屋のまま、電気の使われ方で親の異変に気づく方法も比べてみてください。
これから住まいを探す段階なら、見守りを付けることを前提に部屋を選ぶこともできます。見守りを付けたいと伝えたうえで、高齢でも借りられる部屋を探すと、入居後の備えまで含めて相談できます。大家・管理会社にとっても、「24時間サポートに入っているから見守りは不要」と説明してしまわないことが、入居後のトラブルを減らす第一歩です。
まとめ
- 24時間サポートは生活トラブル対応——水漏れ・鍵・設備故障に駆けつける。安否確認は目的に含まれない
- 呼ばれて動くか、呼ばれなくても気づくか——本人が電話できない異変には、24時間サポートは働かない
- 65歳以上の4割は発見まで4日以上——令和7年、自宅で亡くなった一人暮らしの5万8,919体のうち
- 見守りで確かめる3点——何を見ているか、誰に届くか、誰が部屋へ行くか
- 24時間サポートは残し、見守りを足す——代わりにはならないが、併用はできる