2026.07.13

改正住宅セーフティネット法で大家は何が変わった?3つのメリットと活用法

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2025年10月1日、改正住宅セーフティネット法(令和6年法律第43号)が施行されました。「要配慮者のための法律で、大家には関係ない」と思われがちですが、実はこの改正、賃貸オーナーが高齢者を受け入れる際の不安を制度面から解消することに主眼が置かれています。本記事では、オーナー・管理会社の目線で「何が変わり、どう活用できるのか」を整理します。

改正の全体像:3本柱で「貸しやすく、借りやすく」

今回の改正は、①要配慮者が円滑に入居できる市場環境の整備、②居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅(居住サポート住宅)の供給促進、③住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化、の3点が柱です。

ポイントは、①の「市場環境の整備」の中身がほぼすべて、大家側の不安(死亡時の残置物・家賃滞納・契約関係)への対策になっていることです。国が「大家の不安を解消しないと高齢者の住まいは増えない」と認めた改正だと言えます。あわせて③では、市区町村による居住支援協議会の設置が努力義務化されました。今後は自治体・福祉・不動産が連携して入居先を探す動きが各地で本格化するため、受け入れ体制のあるオーナーには紹介ルートからの入居打診が増えることも期待できます。

メリット1:残置物処理がスムーズに。モデル契約条項を居住支援法人が担う

単身入居者が亡くなった際、相続人と連絡が取れず家財を処分できない「残置物問題」は、オーナーが高齢者入居をためらう大きな理由でした。改正により、居住支援法人の業務に残置物処理等が位置づけられ、国のモデル契約条項に基づく死後事務委任の受け皿が制度として整いました。入居時にこの取り決めを結んでおけば、万一の際も残置物処理が滞りにくくなります。

メリット2:国が認定する家賃債務保証で滞納リスクに備えられる

高齢入居者は保証会社の審査に通りにくいという課題に対し、国土交通大臣が認定する家賃債務保証業者の制度が始まりました(審査に通すための実務はこちら)。要配慮者の保証を原則引き受ける認定業者を選べば、「保証が付かないから断る」というケースを減らせます。認定業者は国交省のリーフレット等で公表されています。

メリット3:終身建物賃貸借が「事業者単位」の認可に簡素化

入居者の死亡で契約が終了する終身建物賃貸借は、相続人との契約解除交渉が不要になるためオーナーに有利な契約形態ですが、従来は住宅単位の認可が必要で普及が進みませんでした。改正で事業者単位の認可に簡素化され、導入のハードルが大きく下がっています。

制度で埋まらない「最後のピース」は日々の見守り

ここまでの3つは、いずれも「万一が起きた後」の負担を軽くする制度です。一方で、事故物件化や原状回復費用の増大を防ぐ鍵は「異変をいかに早く発見するか」であり、これは制度ではなく日々の仕組みの問題です。

電力データを使った見守りサービスなら、工事不要・カメラなしで毎日の安否を自動確認でき、居住サポート住宅に求められる入居中サポートの実務とも相性が良い手段です。「契約と保証は改正法の制度で、日々の安否確認は見守りで」という組み合わせが、これからの高齢者受け入れの標準形になっていくでしょう。

まとめ:オーナーが今できる3ステップ

第一に、入居時の契約に残置物処理等のモデル契約条項を組み込むこと。第二に、認定家賃債務保証業者の活用を検討すること。第三に、毎日の見守り体制を整えて発見の遅れを防ぐこと。この3つが揃えば、高齢者の受け入れは「怖いもの」から「安定した長期入居が見込める空室対策」に変わります。制度の詳細は国土交通省の特設ページで確認できます。

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